第8回 TIP構法住宅第2号の誕生

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 平成2年の冬のある日、横須賀市の清水さんの奥さんから、住まいを建て直すにあたりTIP構法を採用したいので協力してほしいというお手紙を頂きました。ご主人は機械関係の仕事ですが、耐震にも関わりが深かったので、新聞の報道を見てTIP構法の良さを見抜き採用する気になられた様です。しかし、ひとつ気になることがありました。それは、住宅金融公庫の融資を受けるということでした。TIP構法は住宅の耐震に係わる部分がすべて公庫の共通仕様書とは異なった構法なので、事前に説明し了解をとって置かないと中間検査で「待った」が掛かり、工期の遅れなど建築主に迷惑をかけることになるかも知れません。

 当時、私は日本建築センタの木質系構造分科会評定委員を仰せつかっていましたが、この委員会に住宅金融公庫技術開発課から派遣されていた委員を通して、公庫の構法・構造の責任者にTIP構法を説明する機会を設定して貰いました。平成3年2月20日に公庫を訪ね会議室に案内されましたが、そこには建設サービス部の技術開発課から2名、建設業務課から2名の技術者が出席していました。名刺交換の後、TIP構法について工芸大学で行った実験資料等をもとに詳しく説明したところ、公庫の融資住宅にこの構法を使用することについて何等問題はありませんという判定を頂きました。帰り際に部長に逢い部長の了承も頂きました。

 公庫の中間検査は公庫の委嘱にもとづいて地元の自治体が実施することになっています。そこで、私は横須賀市役所建築課を訪問し、TIP構法について詳しく説明するとともに公庫の了承を頂いた経緯を説明しました。市の建築課の方々もTIP構法を理解してくれましたので、数日後に行われた中間検査は無事にパスしました。清水邸はTIP構法住宅としては第2号ですが、TIP構法による公庫融資住宅としては初めてだったので、私にとっては決して忘れることのできない住宅です。

 


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