| 神奈川県は県下の大学の協力を得て毎年、産学協同セミナーを実施しています。平成元年度は東京工芸大学が委嘱をうけました。学内では工学部5学科のうち写真工学科・建築学科・電子工学科の3学科が選ばれ、3分科会が構成されました。建築学科は第2分科会で私ともう一人の教授が講師に選ばれ、10月26日と27日の2日にわたって講義をしました。
当時県から配布された資料によると、私のテーマは「木造在来構法の躯体仕様―耐力壁のバリエーションと水平加力実験」で講義内容は在来構法による木造住宅の耐震壁に関する問題点と私が考案した新しい耐震構法に関する実験結果の報告で、(「開発の経緯」1回・3回・4回・5回をご参照ください。)受講者は企業の技術者等で人数は15人程度(先着順)となっていました。その受講者の中で私の講義に絶大の関心を持たれた方がいました。休憩時間をはさんで3時間半の講演が済んだ後の懇親会の席で、名刺を持って私に声をかけてこられた長島貞之助氏がその方でした。
振り返ってみれば、TIP構法の原点である新構法を私が初めて世間に発表したのが、この産学協同セミナーであり、また、TIP構法の愛好者のための任意団体、日本TIP建築協会の設立や設立当初の協会の運営に大きく貢献してくれた長島氏との出会いもこの産学協同セミナーでした。
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