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はじめに
このたびは、TIP構法のホームページにアクセスして頂き誠にありがとうございます。平成7年1月の兵庫県南部地震は記憶に新しいところですが、私達日本人は過去に何度も大地震を経験してきました。そして大地震のたび毎に多くの住宅が倒壊し、沢山の人命が失われました。建築構造学に関わる仕事をしてきた私は、このような悲劇を繰り返さないために、大地震でも絶対に倒壊しない住まい造りを夢見てまいりました。
ところで、決められた間取図をもとに、地震に強い家を造るには、一般に二通りの方法が考えられます。第一の方法は、いわゆる「耐震壁」を沢山入れることです。耐震壁を2倍にすれば、その家の丈夫さは2倍になります。第二の方法は、それぞれの耐震壁を丈夫にすることです。
4.5cm×9cm の筋かいの代わりに 9cm×9cm の筋かいを使えば、建築基準法上は1.5 倍の丈夫さが得られます。以上、二つの方法は何れも簡単なことで、設計図面に表現することと図面通りに施工することを守りさえすれば目的は達成されます。しかし、耐震壁を沢山入れると、窓などの開口部が制限され、その結果、採光・通風その他住宅としての機能性・快適性を犠牲にしなければなりません。また、それぞれの耐震壁を丈夫にしようとすると、一回り大きな材料を使用することになり、それだけ費用もかさんでまいります。従ってこれら二つの方法は、設計上の問題と建築主の了解を得ることの難しさが重なって現実的ではありません。
そこで私は第三の方法として構造力学の原理を活用することを考えました。以前から蓄積してきた構想を図面化して各種の試験体骨組みを作り、それぞれについて実験を重ねました。実験の結果はすべて予想以上で自信もついたので、機会があればこの新構法を実際の住宅に応用してみたいと考えていました。その頃、たまたま訪ねて来た友人に、実験室を見せて新構法の説明をしたところ、熱海に建て始めたばかりの自分の家にこの構法を採り入れたいと言われましたので、何回か熱海の現場に足を運び、大工さんに新構法を指導しました。 構造躯体が完成した平成2年の秋に新構法をTIP構法と命名して発表したところ、耐震性能抜群のTIP構法住宅第一号ということで、多くのマスコミの紙面に紹介されました。取材した記者の方もびっくりする程の反響で、読者からの問い合わせが研究室に殺到し、その声にお答えするため大学でセミナーを開催しました。その後、何度かセミナーを繰り返しているうちに、熱心な工務店の方々から、TIP構法の団体を作ってほしいと言う声が高まってまいりました。日本TIP建築協会がその団体で、第一号住宅誕生から2年3ヵ月後の平成5年1月16日のことでした。今年は協会設立から9年目になりますが、現在までの着工件数は4965棟に達しております。
地震など自然災害に強い家を造るには
(1)良い構法、 (2)良い設計、 (3)良い施工
の三つの条件を充たすことが大切ですが、なかでも良い構法を選ぶことが最も大切なことです。これからお住まいをお建てになる方、また、現在のお住まいの耐震補強を計画しておられる方、このホームページを最後までご覧下さい。きっと良い構法であることがお判り頂けると思います。
「丈夫な住まい造り」を目指す方々のために、また日本の優れた文化である木造軸組構法をより良いものにして後世に伝えるためにも、私は今後ともたゆまぬ努力を続けてまいります。
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