No.2 TIP構法設計施工マニュアルに基づく軸組モデルが完成

−鉄板補強ガセットプレートを標準仕様に−

今年度に入ってから、住宅品質確保促進法、建築基準法などが改正され、それに伴いTIP構法も平成12年年6月より鉄板貼りのガセットプレート(表面は緑色に着色)を標準仕様とし、施工制度を高めるためにガセットプレート用型板を開発するなど、品質のさらなるレベルアップをはかっているという。このほど軸組モデルを作成、東京・本郷の協会内の研修室に展示、住宅出版関連の記者諸氏にそのお披露目を行った。

●ポイントは三角のガセットプレートにあり

 まず会員のみなさんには、TIPニュースNo14(工務店経営平成11年8月号)の記事を思い出していただきたい。理学博士であり、電気通信大学ならびに東京工芸大学の名誉教授、田中栄氏のインタビュー記事だ。そのなかで田中氏が上西会長を二つの点で非常に評価しているということで、ひとつは構造学上、RC造より木造のほうがはるかに難しいのにそれをされている点。もうひとつは、下地板を斜め張りにすれば強度が増すところまでは考え付く人がいるが、「筋交いを浮き上がらせ(クリアランス)、それを三角のガセットプレートで固定する」ことを考案されたことが優れていると発言されていたことである。要するに、TIP構法で斜張りの下地板はひとつの特徴に違いないが、三角のガセットプレートに大きなポイントがあるということだ。

 ここでまた、先号ニュースの記事を思い起こしていただきたい。最近増えつつあることだが、工務店や設計者に薦められたわけではなく、建て主自身が耐震の決め手としてTIP構法を選んだという例だ。その建て主は「最初はTIP構法というのは下地板の斜張りだからどの工務店でも出来るんだと思っていた。でも実際には、その他さまざまな要素がしっかりしていて、さらに信頼を増した。」のだという。

●きっかけはスーパーTIP構法

 協会では、住宅の品質確保、性能の向上という時代の要請に応えるためにも、TIP構法の要(かなめ)であるこの三角のガセットプレートについて、鉄板補強のものを標準仕様とする方針を決めた。この鉄板補強ガセットプレートの誕生に関して上西会長は、「平成8年の12月に国産杉材を多用したスーパーTIP構法を開発し、多くの関係者をお招きして公開実験を行い、素晴らしい成果をご覧いただくことができました。スーパーTIP構法では構造用合板にエポキシ樹脂を用いて鉄板を接着した鉄板補強ガセットプレートを使用しましたが、これは構造用合板と鉄板がそれぞれの弱点を補い合った"新しい材料"となり軸組構法における柱と横架材の接合材としては最高のものとなりました。一部の会員はすでに一般のTIP構法住宅にも鉄板補強ガセットプレートを採用して、建築主に大変感謝されているとのことです」と述べている。

 先頃完成したTIP構法設計施工マニュアルにも、

 (1) 軸組の構成について一定の基準を設ける
 (2) 鉄板補強ガセットプレートを標準仕様とする

点を盛り込み、研修室で行われる各種セミナーに教材として活用するため、研修室の壁面に三種類の軸組みモデルを設けた。記者団に対するお披露目の挨拶として上西会長は、「1985年以来TIP構法に関わってまいりましたが、今年になってやっと完成したように思います。これからは、日本の優れた文化である軸組構法を、この『究極のTIP構法』を通して21世紀はもとより末永く後世に伝わることを願いつつ、一般消費者に対する普及啓発と会員に対する技術指導に励んでいくつもりです」と今後の抱負を述べた。

取材・構成/前山美登里(暮らしのデザイン研究所)

 

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